社員研修資料の作成法!効率的で効果的なガイドライン
公開日:2024年06⽉14⽇最終更新日:2024年06⽉14⽇
社員研修において、有益な情報の理解のために重要なものが資料でしょう。しかし具体的なポイントがわからないこともあるのではないでしょうか。
この記事では、社員研修における資料についてとくに作成にしぼって解説します。以下の内容を深堀していきます。
・社員研修資料の作成法
・研修資料作成のプロセス
・具体的な資料作成の技術
研修の担当者の方や実施担当者の方は参考にしてみてください。
社員研修資料の作成法
初めに、社員研修資料の作成法について解説します。以下の側面からまとめます。
・研修資料の目的と重要性
・ターゲットのニーズ分析
・目標達成のための計画作成
・内容構成と情報整理のポイント
・効果的なデザインとレイアウト
順に見ていきましょう。
研修資料の目的と重要性
研修資料の目的は、研修の内容を明確に伝え、参加者が学習内容を理解しやすくすることです。資料が適切に作成されていると、学習者は研修の重要なポイントを掴み、理解と記憶を深めることが可能になります。また研修資料は後から復習に使うこともできますから、持続的な学習を支援します。このように、研修資料は研修の成功に対する重要な要素と言えます。
資料の目的が明確に設定されていることで参加者は何を学ぶべきか、何を達成すべきかが明確になり、意欲的に取り組むことができます。
ターゲットのニーズ分析
ターゲットのニーズ分析は、研修資料作成の初めのステップです。これは、彼らが何を必要としているのか、また彼らが何に関心を持っているのかを理解することが重要だからです。
たとえば新入社員の場合、基本的な業務スキルや職場でのコミュニケーション方法が必要でしょう。一方マネージャークラスの場合は、リーダーシップやチーム管理のスキルが求められます。
ミクロな視点でのニーズ分析も重要で、個々の人の弱点や改善の余地がある領域を理解することも求められます。これにより教材は各社員にとって実際的で価値あるものになります。
目標達成のための計画作成
目標達成のための計画作成は、研修の成果を最大化するために重要なステップです。
まず具体的な目標を設定しましょう。たとえば「新たに導入したシステムの操作方法を理解しエラーなく利用できるようになる」といった具体的な目標を立てることが大切です。
次にその目標を達成するために必要なスキルや知識をリストアップします。この時、参加者一人ひとりがどの程度の知識を持っているかを把握するための事前調査が有効です。
そして必要なスキルや知識を習得するための具体的なステップを設定し、それを基に研修の内容とスケジュールを作成します。これにより目標に向かって効率的に学べるカリキュラムが完成します。
これらのプロセスを通じて、研修が目標達成に繋がる具体的な計画を作ることが可能となります。
内容構成と情報整理のポイント
研修資料の内容構成と情報整理には十分な配慮が必要です。
まず始めに、資料の全体像を視覚的に捉えられるようにするために「目次」を作成しましょう。
次に各章節ごとの主旨を明確にしその章節で何を学ぶのかを述べる「章節の目標」を設けます。これにより受け取る側が自身の理解度を確認しやすくなります。
また情報を整理する際には「5W1H」を意識し、主題に関して誰が、いつ、どこで、何をしたのか、どのように行ったのか、なぜそうしたのかを明確にします。これは読者が情報を理解しやすくするための必須要素です。
最後に複雑な情報を減らし読み手にわかりやすくするため、重要な情報を「箇条書き」や「図表」などで可視化すると良いでしょう。
効果的なデザインとレイアウト
効果的なデザインとレイアウトは、研修資料の理解度と吸収力を大きく向上させる要因です。デザインは視覚的にメッセージを伝え、レイアウトは情報の流れを整理します。また適切な色彩やフォントの選択は、視覚的コミュニケーションを補強します。
レイアウトについては、情報の優先度に基づく整理が重要。最も重要なポイントを上位に配置し順番に追っていくことで受け手は自然と情報を吸収します。
これらデザインとレイアウトの工夫は、研修の質を大幅に向上させることに寄与します。
研修資料作成のプロセス
次に、研修資料作成のプロセスについて解説します。以下の事項があります。
・事前準備の必要性とポイント
・情報収集とリサーチ方法
・情報の整理と要点の抽出
・効果的な資料構成の基本
・フィードバックと修正の重視
順に見ていきましょう。
事前準備の必要性とポイント
事前準備は、効果的な研修資料作成のための重要なステップです。その必要性は、足りない情報や想定外の問題に直面した時に、迅速かつ適切に対応できるためです。
ポイントとしては、まずターゲットとなる社員の能力や知識レベルを把握し研修の目標を明確に設定することが挙げられます。さらに研修のテーマに関連する情報を十分に収集しその中から重要なポイントを抽出することも必要です。
これらの準備をしっかりと行うことで研修資料はより詳細で質の高いものになります。
情報収集とリサーチ方法
情報収集とリサーチ方法については、まず信頼性のある情報源を探すことが必要です。インターネット、書籍、研究論文などが参考になるでしょう。情報が一次情報(直接取材や独自調査によるもの)か二次情報(既に公開されている情報を編集・再構成したもの)かを見極めることも大切です。
また一次情報を取得する際には、インタビューやアンケート調査などが効果的です。リサーチは主に自社の人材のニーズ、業界の動向、効果的な研修方法などを調査します。さらにその情報をもとにスワット分析(自社の強み・弱み・機会・脅威の分析)を行うことで研修資料の方向性を明確にします。
情報の整理と要点の抽出
情報の整理と要点の抽出は研修資料作成における重要な工程です。
まず集めた情報をテーマ別やカテゴリー別に整理し主要なテーマを特定します。
次にそれぞれのテーマに関連する情報をさらに整理し、その中から主要な情報、つまり要点を抽出します。これにより資料は綿密に構成され、目的に直接関連する重要な情報だけが含まれるようになります。
また要点を抽出する際には、目標とするターゲットが何を学びたいのか、どの情報が役立つのかを念頭に置くことが重要です。たとえばエンジニア育成研修では、最新の技術トレンドや具体的なスキルセットが重要な要点となるでしょう。
これらのプロセスは、資料が明確で分かりやすく、そして効果的であることを保証するために不可欠です。
効果的な資料構成の基本
資料作成の基本は、研修の目的に合わせた情報の選定とそれをわかりやすく伝える構成力です。
情報は、必要な知識だけでなくターゲットが理解しやすい具体的な例や事例を加えると良いでしょう。それらの情報を効果的に配置するためには、ハイライトしたいポイントを明確にしその周りに補足情報を配置する「中心思想の配置法」が有効です。
また情報を小さな単位に分割しそれぞれに見出しをつける「チャンキング法」も理解を深めるのに役立ちます。これらを行うことで受講者は自分の理解に合わせて情報を探すことが可能になり、資料全体の理解度が上がります。
フィードバックと修正の重視
フィードバックと修正の重視は、資料作成の重要なプロセスであり、適切な修正作業がなされることで研修の質と成果を大きく向上させることが可能です。貴重なフィードバックは使用対象者や第三者からの意見、実際に資料を使用した際の反応などを通じて得られます。
これらをもとに修正を行うことで研修資料は更に洗練され、目的達成に対する道筋が明確になります。たとえば先日我々が提供したある企業向けの研修では、初回の反応を基に資料の構成を見直すことで理解度が格段に向上しました。常にフィードバックを収集し資料の修正を行うことを怠らないよう心がけましょう。
具体的な資料作成の技術
最後に、具体的な資料作成の技術についてまとめます。以下の例が挙げられます。
・視覚的要素の活用法
・図解とチャートの効果的な使い方
・テキストの読みやすさ向上技術
・プレゼンテーション資料作成の技術
・動画やアニメーション活用のコツ
・双方向性を持たせる工夫
順に見ていきましょう。
視覚的要素の活用法
視覚的要素の活用は、研修資料の理解を大幅に向上させます。資料に色を使うことで視覚的に情報をグループ化することができます。また重要なポイントを強調表示するために、ハイライトや太字、アンダーラインを用いると効果的です。
画像や図表は、複雑な情報を簡単に整理し一覧性を向上させます。さらに視覚的要素を適切に配置することで、視線の流れを制御し読者の注意を重要な情報に導くことができます。
このように視覚的要素を上手に活用することで研修資料の効果を最大限に引き出すことができます。
図解とチャートの効果的な使い方
図解やチャートは視覚情報として理解しやすく、一目で内容がわかるため、研修資料作成において欠かせません。効果的に活用するコツとしては、まず複雑な内容や流れをシンプルに表現することです。たとえば新しい社内システムの操作手順ならば、テキストではなく図解にすることで一目で手順の全体像を把握できます。
次に比較や状況把握をしたい時にはチャートを活用します。数字だけでは伝わりにくい進捗状況や、複数の選択肢の比較などは、棒グラフや円グラフで視覚的に示すことで理解を深めます。ただし必要以上に図やチャートを使い過ぎると逆に混乱を招くので、情報の整理と簡潔な表現が求められます。
テキストの読みやすさ向上技術
テキストの読みやすさ向上技術とは、利用者が情報を簡単に摂取できるようにするための技術です。
まず文章は短くシンプルに保ち、活用語や専門用語の使用は最小限に抑えましょう。次に段落は途中で話題を変えずに、一貫性を保つよう配慮します。そして、リストや箇条書きを利用して情報を整理し読者が項目間の関連性を理解しやすくします。フォントや文字サイズ、色も考え、視覚的な読みやすさを追求しましょう。
このような工夫を取り入れることで研修資料はより効果的なものになります。
プレゼンテーション資料作成の技術
プレゼンテーション資料作成の技術は、事実を伝えるだけでなく視覚的な要素を活用して理解を促進するために重要な要素となります。まず主要な情報を強調しそれを支えるデータを整理しやすい形にすることが大切です。
また視覚的な要素を追加することで理解を深めることが可能です。この場合、色、形、サイズ、位置などの要素を適切に用いることで情報を明確に伝えることができます。資料作成ソフトの選択も重要で、PowerPoint, Keynoteなどのツールが一般的に利用されています。
実際に資料を作成する際は、常に視覚的な印象と情報の伝達効果を考慮しながら、視覚的要素とテキスト情報のバランスを取ることが求められます。
動画やアニメーション活用のコツ
動画やアニメーションを効果的に活用するコツは、視覚情報による記憶強化と学習の効率化を狙い、鮮やかな色彩と動きを用いることです。
また動画だと一度に多くの情報を視覚的に伝えることができ、生産性と効率性が向上します。アニメーションを用いることで難解な概念もわかりやすく視覚化できます。ただし情報過多になり過ぎないよう、シンプルに保つことも重要です。
双方向性を持たせる工夫
資料はただ受け取るだけではなく、受け手が積極的に関与できるようにすることが重要です。クイズや問いかけを入れることで受け手の理解度を確認し関心を引くことが可能です。また質問と回答のセッションを設けることで直接的なフィードバックを得たり、新たな視点や疑問を提供する機会を作ることもできます。
このような工夫は、研修の効果を飛躍的に高め、受け手の学習体験を豊かにすることに繋がります。また対話型の教育技術を用いることで参加者のエンゲージメントを向上させることが可能です。
最後になりますが、適切なタイミングでのフィードバックや励ましの言葉は、双方向性を生む上で重要な要素であることを忘れないでください。
資料作りの研修は東京ITスクールで
ここまで資料作りに関して見てきましたが、視覚に関する知識やスキルは具体的なデザインを見ながら学ぶのが最適です。ぜひ東京ITスクールの研修をご活用ください。
エンジニアの方が講師となるときに最適な内容の講座をご用意しています。
基礎デザイン編は、受講することでデザインの原則を理解して洗練されたパワーポイント資料を作成できるようになります。応用デザイン編はさらに一歩進んでターゲットや狙いに応じたデザインを考え、プレゼンを次に繋げることができるようになります。
もしもご質問やご興味がございましたら、些細なことでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。